ガス圧接ってなんだろう?
高層ビルや高速道路、鉄道、地下鉄、橋梁など、私たちの生活に欠かせない様々な構造物の多くには、その内部に人間の骨格に当たる鉄筋が埋め込まれています。
コンクリートの中にあるこの鉄筋は、設計通りに正しく組み立てられることにより、構造物全体の強度、耐久性、耐震性を高め、私たちが安心して安全に暮らせる社会を支えています。
この見えない所で重要な役割を果たしている鉄筋をつないで組み上げるプロ集団が、ガス圧接工事業の職人たちです。
固くて重い無機質な鉄の棒を構造物を陰で支える重要な骨格に変えるこのガス圧接の仕事は、専門的な検定試験に合格した人しか行うことが出来ません。
彼らは、自らが持つ技術と知識を使って、人の安全を守り、生活を豊かにするこの仕事にやりがいをもって携わっています。
見えない所で社会を支える、職人たちの技術と情熱がここにあります。
新幹線のほとんどがガス圧接工法で施工され、事故率ゼロの実績を誇っています。
そして、この工法を構造物の骨格作りに採用したものが、ガス圧接による鉄筋継手です。
日本で主に使用されている鉄筋継手には、このガス圧接継手に加え、溶接継手、機械式継手の3種類があります。
組合の活動
ますます重要性を高める高張力鉄筋の圧接性研究など、近未来に向かって多面的な研究を進める一方、経営者セミナーの開催や各種講習会の支援も積極的に行い、人材教育を通じて業界の近代化を図っています。
ガス圧接の技術・技能を高めると共に、工法の進歩と発展を期して、全国ガス圧接技能大会を開催するなど、優秀施工者や後継技能者の励みとなる諸施策を展開し、また標準ガス圧接施工要領書の出版やさまざまな資料の提供を行い、正しい圧接工法の普及に努力しています。
品質保証及び自主管理体制を重点課題とする一方、適正単価算出基準の策定や、時短問題研究プロジェクトのような労働環境の整備に関する活動を行い、企業の体質強化に向けて努力しています。
従業員や家族の方々に安心した生活を送っていただくためにも、今や不可欠の制度として定着し、組合員の支援渡橋力によって7年目を迎えた96年現在では、加入事業所107社、加入人員2,001名、保険金額は87億円に達しています。
これからの高齢化社会に備えて、将来的にも安心して働ける職場作りを促進するために、全圧連(社)全国鉄筋工事協会が共同で厚生年金基金を設立しました。その後順調に推移し、96年現在で加入事業所294社、加入者数は7,000名を越え、保養施設の利用など福祉計画の実現に向かって大きく前進しています。